私には、木曽という特別な場所があります。
昔からの宿場町、木曽路に伝統的な日本の染織があるのでは。と、根拠のない自信と夢を胸に、青春18切符一人旅に出かけたのは21才の秋。
奇跡のような出会い
うどん屋で出会ったおじさん、お土産屋さんのおばあちゃん、そして染色家の先生。
「よくいらっしゃいました。」
出会った当時78才だったその先生は、体中ペンキか、絵の具か、とにかくだいぶカラフルだった事を覚えています。
日本家屋の裏の染色工房で秋の風に吹かれながら、緊張に包まれていたあの時を懐かしく思い出します。
染色を始めたきっかけ、鯉のぼりにかける想い、手仕事の意味。
先生はゆっくり話し始めました。そして話は思わぬ方向へ-。
先生はネパールの村の女性に草木染め手編みセーターを15年も教え続けている、という。
昔ネパールの山にトレッキングに行った時に、ヒマラヤを見て涙したと同時に、村の貧しさに驚き、その事がどうしても頭から離れず、65才になって染色を村の女性に教え始めた、と。
「今でも、行ってらっしゃるんですか?」
「毎年、春と秋に二回行ってますよ」
「今年の春も、1ヵ月行きますけど、あなたも一緒に行きますか?」
光がピカっと頭から抜けるような感覚
ネパールに行く・・?染色家のこの先生とネパールの村に行く?
(今年は、就活の年よね。春って重要な時期よね-私の心の中)
ええい!
「連れていって下さい、お願いします。」
今から6年前、この時の先生との出会いが
今の自分のキルギス行きに大きな大きな影響を与えてくれました。
その後、先生についてネパール・カカニ村に計3回、3ヵ月滞在。
草木染め、学校作り、村営図書館、助産師育成、青空絵教室、そして日本でもネパールを知ってもらおうと毎年秋に開かれる「ネパールセーター展」のお手伝いを通して、先生の偉大さ、温かさ、強さを感じました。
きっと私は先生に恋しているんだと、よく思います。
キルギス出発を前に、木曽路~中津川へ挨拶に行きました。
朝の馬籠宿を散歩。
気持ちぃぃ!!
Good morning Magome!
So nice today.
私の原点
Everything started at this point.
It says "The natural dye"
ありがとう、あなたのお陰です。
お土産屋さんのおばあちゃん
もう何回、会いに来たかな。
Thank you, I met Nepal.
Many times I visited her.
恩師と共に。
鯉のぼり「食べちゃうぞ」
ネパールに、先生に教えて頂いた事が今の私の軸になっています。
I admire her. She's my teacher who taught me everything.
先生は、今年で84才。先月もネパールへ行かれました。
今は、日本の竹が何にも使われず可哀そうだと、竹紙を作りたいとおっしゃっています。
2年後、また一緒にネパールに行きたいです。