女性たちは毎日作業場に来てるかな、首都のお店はどういう状態かな。
ポジティブに自分を奮い立たせてきたけど、本当はおっかなびっくりキルギスに戻ってきた。
日本から、数回村に電話をかけた時ホストママも
「皆よく働いてるよ、心配しないで休みなさい~」と明るく言ってくれたのだ。
そっか、良かった。
それじゃ私もあの時から残してきた仕事の続きから取り組むぞぉ!
と、すべてを「前」に!の気持ちで村に。
空は青いし、たんぽぽも咲き乱れ、きれ~い・・♪
ところが。事態は思わぬ事になっていたのでした。
7人いたメンバーのうち、1人は3月末に出産、2人は4月から再開した村の保育園で日中は働くことに。
それでも縫製担当のAエジェを頼りに、もう一人縫製ができるよう育成しながら、しばらくは4人でやっていくか、少しずつ他の女性にも声をかけていこう。そう思っていた矢先の突然の帰国-。
なんと、頼りにしていたAエジェと保育園で働き始めたDエジェが10月まで山に登って羊の遊牧のため村に帰って来ない、と。
がーん・・。
どうも、村に帰って来た時からホストママにもジャーマットに対する勢いが感じられなかった。
でもなんとなく私は怖くて真実を聞けずにいた、そして現実を受け止めたのが昨日。
「日本からの電話でなぎさに心配かけたくなかったのよ」という。
確かに金曜日も、作業小屋にはKエジェだけ。
これからの夏の時期、紡ぎも、草木染めも、お祭りも、ワークショップ参加も、できたら皆でご褒美の小旅行も・・、と考えていたのだ。やっと、夏が来る!と。
でも、メンバーが3人になってしまった今
何から始めたらいいんだろう。
首都のお店からは、私の留守の間に商品がだいぶなくなって、必ず3週間以内に品物を届けてほしいとの電話。有難い事なのに、気持ちばかりが焦ってしまう。
机に肘をつきボーっと、その時。同期が貸してくれたこの本が目に入ってきた。
バングラとネパールで、鞄作りに奮闘する山口絵理子さんの本。
一言ではとても言いきれない、彼女のこれまでの道。
色々な言葉を本の中で見て、今の自分と似たような状況の時、山口さんだったらどうするんだろう、と重ねてみたり、考えてみたり。
今日31日、何とかメンバー6人を集めミーティングを開いた。
もちろんメンバー再構成について。他にも声をかけたい、と私から切り出した。皆の了承を得て、2人心当たりのある女性に明日からお願いしてみよう!始めは時給も安い、教えるところから始めるのだ。
まさかここで、ジャーマットの再建から始めるとは思ってもみなかった現実である。
でも、やっぱりみんなと一緒に仕事がしたいなぁ
山口さんが、窮地に追い込まれた時に放ったこの一言に、共感。そうなの、本当にそうなの。
作業小屋にみんなの笑い声が聞こえている時、私も本当にうれしいのだ。
夕方、ミーティング終了後、ふぅっと一息部屋で。
ふと今度は地元山梨の雑誌が目にとまった。
『じっくりと手間をかける。大切なものを育むために必要なのは、それに向き合う「時間」と「想い」。』
山梨のhope、若き味噌職人さんの記事である。
(甲府で運命的出逢いをしたふみちゃんのお兄さん!)
『-家族経営の小さな会社が今後生き残っていくためには、うちにしかできない個性的なものをつくる必要がある、そうだ山梨県産の材料にこだわってみてはどうだろう。このようなさまざまな考えをめぐらすうちに、僕は「物語のあるものをつくりたい」と願うようになったんです。』
アルシュ村のSAORIジャーマットにしかできないものって何だろう。
アルシュ村の羊から紡いだ糸と、この村に生えている草木の色と?
いやいや、まず足元を、見よう。 あんまり遠くではなく、半歩先を-
今私たちが抱えている問題から、少しずつ解決策を見つけていかなくては。
●おまけ付き●
昨日生まれたひよこ達! ぴちぴちぴち ちちちちち・・
キルギス語でひよこは「ジュジュ」と言います。
一人悩まず、進んでいきたいと思います。
よし、頑張るぞ。