2010年2月26日金曜日

栄養を求めて!

●キルギス雑穀編●

冬だから、と言って小麦粉や、じゃが芋ばかり食べていちゃダメです。

と、自分に言い聞かせ、村にいながら、家にいながらも体に良い食事をしたいと思う今日この頃。

昨日の晩は、そばの実のご飯!前回、ビシュケクのお母さんが持たせてくれました。
食べ方がよく分からなかったので、村のお母さんに渡すと・・何やら良い香り。

そばのお茶が日本にもありますよね、韃靼茶?
そんな匂いが家の中に広がり、うっとり。

そして、お鍋を開けると・・

じゃじゃーん! 

左がそばの実ご飯、右は白米を人参と一緒に炊いたもの。
美味しい!!玄米が大好きな私は、この雑穀によく似たそばの実ご飯が大好きになりました。
キルギス語でちなみに「グレーチカ」と言います。

そして、最近調子がいい我が家の鶏!のお陰さまで、この日も卵が出ました。I was happy.

●キルギス魚編●

キルギスには海がないです、でも川があります。

先月、私の家に遊びに来てくれた先輩隊員Sさんが、バルクチというお魚が有名な?街から買ってきてくれたこの魚。-たぶん、にしんかな? と思いました。燻製にされた、なんとも香ばしい魚さん。

ヨイっ!と腕を奮って、さばいてみる。なんだか、とても懐かしい魚の感触と香り。骨をとりつつ、これで合っているのかなぁと思いながら包丁を握る。ガガガ、ガガと包丁が骨にあたるのですが・・?

それでも、どうにかお刺身っぽく切れました。?
大学卒業して、織りや着付けの教室に通いながらアルバイトしていた魚屋さんでの日々、3年。

手で物を作る、とかローカライゼイションとかいう言葉、
そんな言葉だけが意味もなく頭の中に凝り固まる。

私たちの生活の中で何が一番重要なのか、正直分からない。

何を大切にする、何が欠かせない事なのか、ふっと考えてしまう時
魚屋で、・・黙々と作業する皆の姿が、言葉をもたない強いメッセージとして私に何かを問いかけている。

2010年2月17日水曜日

170+14個、村からの旅立ち -We made it.-

少し日が長くなった今日この頃。

夕方5:00のやさしい光が窓に差し込む

静かな静かな作業部屋-

来月出産を控えたGエジェと、退院して戻ってきたリーダーJazgul.

2人がもくもくと縫い、最後のミニケースが全て縫い終わったのは6:00過ぎ。


終わったぁぁ・・・!

三人で目を合わせ、静かに達成感を共有しました。

いざ、明日村から首都へ、2/22の飛行機で日本へ!

170個のミニケース達よ、Have a nice trip.

楽しい時間をありがとう。

Today, at 6:00 PM. The last mini-bag was finished.
We enjoyed making 170 of these.


ミニケースその①

その②
その③
男子生徒用 For boys.
女子生徒用 For girls.
先生方用ペンケース For teachers.


2010年2月16日火曜日

初!舞台。&初被害!

2月13日 
首都のnational museumにてキルギス国内の様々なボランティア団体を対象にした、地元大学の学生ボランティア主催の大きな会議が開かれました。

国連関係機関、障害者支援団体、ピースコー、学生ボランティア、そしてJOCVも招かれ、私も村で活動するJOCVとして、SAORIジャーマットについて10分ほどのプレゼンをしました。

初!人前での発表にドキドキ、わくわくの「はず」でした。が・・

13th February, there was a big meeting for the volunteer organizations working in Kyrgyzstan.
There were the branch of theUnited Nations, peace corps from the US, some university students' groups, and us, JICA(JOCV) was also invited. I gave the presentation about my activities too.

前日、晴れ晴れしく、初舞台を迎えるべく上京したものの
・・寝る時間を割いて作ったmovieが全く映らない!!

えっ??! 涙

いやー・・嘘よね?
言い聞かせる、でもうんともすんとも言わないパソコン君。
明日は朝から準備、11時には集合なのに!!
しかも100人くらいの規模って言ってた明日の会議!!
なんで映らないの?!

一瞬にして私の頭の中はパニック、顔は雨が降る直前のような暗い表情に。

でも、その日はちょうどキルギスに帰ってきた先輩を迎えるべく夕飯に皆そろって出かける日でした。
悩んでもしかたない、やるしか方法はない。

-今夜、徹夜覚悟でもう一回作ろう-

そんな事をずっとずっと考え、夕飯会場まで乗合バスに乗り込んだ・・。

どうしよう、もう一回写真を集めて、movie makerに取りこんで、
でも明日までに間に合うかな、明日ちゃんと映るかな・・

頭の中は不安でいっぱい!

「なぎさちゃん、降りるよー」と、Y先輩。

「あっ、はい」

と、肩から提げていた赤いバッグの口が開いているではないか!

     ええっ??なんで???

そして、・・・衝撃的事実の発覚。悲しいお知らせです。
お気に入りの猫のお財布が、影も形もなくし、闇に消えました。スラれたのです。

言葉にならないショックと、相手のプロ技にあっけにとられ、それから込み上げてくる悔しさと嘆き!

I was all prepared to this presentation but, when I got the office the day before the presentation, the video I made was not working at all. I tried and tried but, nothing came out to the screen.
So shocked I was, but I have no time. So, anyways I got on the local bus to go to the restaurant where my friends were waiting, and what happened to me was, oh.. I wanna cry. Still now I can't believe it, my wallet was stolen in the crowd...


細かい事は、思い出すと悔しく切ないので書きません。
でも大事に至らなかった事のみ報告しておきます。

-さよなら私のお財布・・・ うぅぅ

I hate to say but, Good my wallet.

キルギスに少しずつ慣れてきた今日この頃。
気をつけなさい、周囲に注意しなさい。
神様がきっと警告しているんだな、と身をもって感じました。
痛感いたしました。

その日の夕食では、とにかく必死で作り笑いを。
-頭の中が少しもすっきりしない・・でも美味しいピザだったなぁそういえば。

そして、皆さんの助けを借りて、(写真を提供して下さった方々に感謝!!)
明け方4:00まで作業し、なんとか次の日に間に合いました。

It is the warning to you Nagisa. .that's my mom said to me.
Little by little I'm getting used to live in foregin country, here in Kyrgyz. But hey, watch out. You should be careful. Maybe it might be really a warning to me.

Until 4:00 in the morning I was making the Video, and finally finished.

13 th of February.


お財布の事は忘れよう、今はとにかく舞台に立たなきゃ。
冷汗をかきながら、たどたどしいキルギス語で村や、ジャーマットの紹介を始める-。
Forget about the wallet! You have a duty today.
ロシア語スピーカーが多い首都Bishkekで、日本から来た小娘がキルギス語を話すという事に反響!


無事、活動の内容と、女性たちの紹介をする事ができました!
村で今日も頑張っている女性たちの姿を思い浮かべたら
私には集まった人々に皆の頑張る姿を伝える義務があるんだ、とそう思いました。
村の生活は厳しいです。女性も男性も一日中生活のため、働きっぱなしです。
でも、生活の為だけに働くんじゃない、気持ちを表現したい、
自分たちの力でお金を稼いでみたい、そして何より夢を織りたい、
仲間と一緒に働きたい、そう思った仲間が今のジャーマットを立ち上げました。
と、前任の先輩が語ったであろうジャーマットの夢を、二代目の私が引き継いで発表していました。
Thinking about my group in the village, thinking about the womens, I strongly thougt I need to tell people how they live in the small village.
Life is taugh, and they didn't have the jobs but they wanted to earn money by themselves, wanted to express their own feelings and thoughts, wanted to work together.
So they started this weaving group. I said so, believing that one vounteer who started this group had the same dream.
Video のBGMに、笹川美和(確か)さんという方の「金木犀」
友人から借り、急きょ使った曲でしたが、じーーん・・・と心に染みました。
夜中一人、染みていました。涙
もとのvideoが映らなかったこと、お財布が消えたこと
とても心が傷んだけれど、でもこの曲と出会えた事、この事が何よりの救いでした。
いい曲と出逢えました。ありがとう。

2010年2月10日水曜日

休日-Holiday-

真っ白アルシュ村。 White village, Alysh.

ある朝、井戸まで水を汲みに出ると、辺り一面の美しさに思わずカメラを取りに帰らずにはいられませんでした。

白くコーティングされた木々。Covering with like white chocolate.ナリン川の向こうに見える村も真っ白。
The small village over the Naryn river is also white.


そして、時々私は自分が27才だという事をすっかり忘れる瞬間があります。

キルギスでは、大人と子供の堺がはっきりしていて、大人が子供と一緒になって遊ぶという習慣はめったにありません。大の大人がソリをしたり、走り回ったりしていると、「・・どうしちゃったのかしらね?」という事になるそうです。


先週末はまさに どうしちゃったのかしら?というくらい、久しぶりの休日にわくわくし、近所の子供たちと泥んこならず、雪んこ?になっておおはしゃぎしました。もとはと言えば、真っ白な雪でかまくらを、そして山梨の英雄「武田信玄公」を作ろうと、一人外に出たのがきっかけでした。
(注)写真上:武田信玄公-頭に被っているのは、道で拾った何かの毛-
This is the hero of Yamanashi. Shingen Takeda. I respect him , and made him with snow.


ところが、我が家の子供12&10才、隣の男児10才、前の家の子9&5才が集まる、集まる!
しかたないので、一緒にかまくら作り。
うひゃー冷たいぃぃ!!Playing with kids, forgetting about my age.そして、じゃぁさsnow angelって知ってる?と上から目線で子供相手に真剣指導。
両手、両足をバタつかせ、きれいに起き上がると・・雪の上に天使ができあがり!The, snow angel.
喜ぶ子供たち、調子に乗り始めるわたし。 We were all so excited!

よし、じゃ次は馬跳び!と、馬を作り、子供たちは飛ぼうとするが、雪の上でうまくジャンプができない。そのまま体当たりされて、雪の上にぼふっと倒れる。

次は何??と、リクエストされたらアイディアを出すしかない!と張り切り、じゃ氷おに!と。

これがまたウケてしまい、雪の中早く走れないのに時を忘れ、年齢を忘れ、必死に逃げ回る。


でも、子供の体力は本当に底抜けです。
負けたくなかったけど、敗北宣言・・。キツイ!こっそり逃げ出し家の中へ。

真っ白に、雪まみれになった私を見て
「どうしちゃったの!」と、GエジェとAバイケ。

床の上に思わず倒れこみ、なかなかおさまらない心臓のドキドキに聞き入っていました。・・小学校の頃とは訳が違うわ。

そんな、わんぱくな休日の夕方、外に干しておいた洗濯物を取り込むと・・つらら!
そして、そのままの形でたたずむ洋服・・。確かにマイナス10℃前後だったなぁ今日も。

My cloth was frozen, it was -10 degrees out.

夜には、SAORIジャーマットのカバンの取っ手を作ってくれているSバイケが、自前のソリで登場!
馬にひかれ、まるでサンタクロースのように颯爽と走り去って行きました。

このバイケも、周りからみると「あの人どうしたのかしら?」と思われるのかな。


とにかく。
そんな、アルシュでの休日に本当に身も心もリフレッシュ!

次の日には、お約束の筋肉痛に一人おかしくて、笑うしかなかったです。

Anyways, it was a great holiday.

2010年2月3日水曜日

立ち止る

男子生徒分80個、女子生徒分50個が出来上がった。
あと40個の縫製を終えたら注文の170個が完了・・。

スナップを付ける作業、首にさげる紐を作る作業、家にまで持ち帰り作業する日々が続いた。

家計を支えるお母さんたちにとっては少しでもお金になったら、と思うのか、家に持ち帰りその次の日には必ず仕上げて作業場に持ってくる。皆、ほとんど。

みんな本当によく頑張る-。

ところが、メンバー7名のうち、2人がダウンというハプニング発生。

一人はジャーマットのリーダー貴重な縫製担当、腰を痛め10日間の入院。

もう一人はhostmotherであり、織り手であるGエジェ、寒さともとからの関節痛で体が思うように動かない。

あまり無理をさせたらいけないな、と思っていた矢先のことでした。
私が赴任した11月から、有難い事ですが注文が次々舞い込んできて、期限までに作る事に文字通り「追われる」日々。 土日の休みも取らずにこれまで突っ走ってきました。

すこし落ち着け、わたし。焦る気持ちばかりが先走り、大切な事を忘れてしまいそう。

ジャーマットの女性は、皆家での大変な仕事をして、さらにこの織物の仕事をしている。
朝は牛の乳搾り、水汲み、パンをこねて焼く、家族全員分の洗濯も全て手で、夕飯の麺も小麦粉からこねて作る。

私は単品でここにいて、他に守るべき、こなすべき仕事があるわけではないから、常に商品の事を、作品の事を考えていられる。

前へ前へばかり進もうとしている。

今日、月初めのミーティングをと思ったが、2人は病院へ、1人は隣村へ、1人は来月出産を控え、なかなか集まれない女性たち。どうしよう・・。

少しでも私も手伝えたらと織り機に向かったが、気持ちがあちこちへいっていて、色がぐちゃぐちゃ、糸を巻こうと思うとものすごい勢いで絡まる糸・・。

そんな時、物静かなAエジェが午後やってきて、家で仕上げてきた10個のミニケースをそっと差し出す。

昨日の夕方持ち帰ったばかりなのに・・。

ありがうと、無理させてごめんなさい、と、何やってんだ私は、という気持ちが混じり泣きたくなった。

少し立ち止まろう。

全てのミニケースを作り終わったら、皆にカレーを作ってあげたい。
日本のカレーを作って、振る舞いたい。

Aエジェ、リーダーの分まで頑張るよ、という静かな意志を感じる。

一人一人の個性がキラリと光る!・・いい色具合い。
部屋に干される布達、170人の小学生たちよ、彼女たちの手作り。

大切に使ってね。