2010年7月31日土曜日

7月23日-この日に向けて・アルシュ村編-

盛りだくさんだったビシュケクとさよならし、静かなアルシュ村に到着。

しかし着いた日から早速「山ごもり」の支度!
今回の滞在は、のんびりと都会の喧騒から解き放たれて、ぼーっと

したいところですが、23日の芸術祭の下ごしらえという任務と隣り合わせのアルシュ村滞在です。 山へ出発の日の朝!
青い空に、我が家のベックヌルの青い服
まずは馬に乗ること約2時間、アクテレックという草原に一泊目
二頭の馬と、川と、山、その他にはナニモナイ
一緒に荷物を運んでくれたバクット(幸せ)バイケと、今回のキャンプを手伝ってくれたアマンと。
お昼寝~
っと呑気な私の言葉が、この時には不思議と出てこない!
泉さんはさっそく制作に、私はせっせと食事の支度に。白い画用紙に、水を含ませます。
たっぷり、何の汚れもない、今まさに天山の山々から雪解け水としてながれてくる純粋な水を-
こうして白い画用紙は太陽の光で、たった今吸い込んだ泉の記憶自分の繊維の中に吸収します。

坂本泉「オアシスproject*」
(*これまでに、スペイン、オランダ、沖縄、山梨でこの画用紙を持って一緒に旅しています)
夜は火のまわりにすわって、肉を焼いたり、魚を焼いたり、こぼれてきそうな星空を見たり

一言、二言話したり、黙ったり、そしてまた星を見たり。

そんな、贅沢な夏の夜。

✤翌日!再び快晴なり✤

次の日は、放牧中のエジェを求めてさらに上を目指しました。
途中、ここだ、と思ったスポットで、子供のように抱えて大事にしている画用紙達を撮影の泉さん


テントに着いたら、さっそくキルギス式ヤカン(サモール)で温かいお茶を振る舞ってくれる。
「ナルギーザ、何人お客さんを連れてくるのー!」とケラケラ笑うDエジェ。

夕焼け、なんとも言い切れない気持ちに満たされて 次の日は、朝早く二泊目のキャンプ地を後にしました。
✤村に戻って✤

ジャーマットの女性たちがお茶にご招待、泉さんも結婚している証として、ジョルックを頭に巻いて


その後は、キルギスの遊牧テント(=ボズウイ)の研究!
これも、泉さんの作品の一つです。

2010年7月11日日曜日

制作までの日々-神様のイタズラ-

Bishkekは、刺すような暑さ

そして泉SAKAMOTOも、暑いキルギスで熱い日々を過ごしております。
もちろん、一緒について回っている私にとっても。とても刺激的な日々

ゼロから作り上げることとなったイベント「Asian Reunion in Silkroad」
共同展示をする現地アーティストも決まっていない。
材料をここで見つけることから、会場を見に行くことから、始める。キルギス語の新聞を絵の具で塗って、街を表したいのよ~ 
完璧な事務技(!)O隊員による、今後の泉さんのスケジュール。強力な味方Aさんも、今回も的確なアドバイスで後押ししてくれる。
泉さんがコラボレーションしたいと感じるアーティストとは・・?
今日までの滞在中、そのことが大きな課題点、大きな興味でした。
泉さんは、インスタレーション(空間設置)をメインに制作をするアーティスト
空気を感じ、身近にある材料を使い、その場に展示し、解体する-
会場となるBACでの初日打ち合わせで、多くの画家・作家のアトリエを回り、なかなか出会えない現代アーティストに誰もが不安を抱き始めた頃、神様がチョコンと駒を動かす。
ほらよ、っと。
紹介されたピョートルさん。
私は直接会っていないが、泉さんが「共同展示したい」と思った数少ない人。
*ソビエト時代に、国からの注文でレーニン像や、肖像画を描いて生計を立てていた画家が多く集まるBAC(Bishkek Art Center)は、今でもその香りを漂わせる共産colorの強い工房なのです。
トントンと話は進み、予定通り11日にはナリンへ出発!!
の、はずだった。
ところが
「家に帰って考え直したら彼は、ロシア人だ」・・ !
キルギス人にこだわるBACディレクトール、それを受けて悩む泉さん
民族間の衝突がタイムリーで勃発しているこのキルギスで
「Asian Reunion・・」と題したアートイベントに、キルギス在住ロシア人が登場する。
夜、静かに自問する泉さんの姿が印象的でした。
民族って、どんな壁なんだろう。今回のテーマの持つ、本当の意味とはなんだろう。

しかし、日は迫って来ている。足踏みしている時間はない。
翌日、心当たりがあるというディレクトールの言葉を信じて再びBACへ。
実は泉さんは、一人のアーティストに目をつけていた。
「この人とやってみたいのよね」
でも、そんなに簡単にいくはずがないと、私も内心そう思っていたのです。
ところが、ここでまたいたずら好きな神様はひょいっと駒を回すものなのだ。
なんと、事務所で待っていたのは、泉さん第一候補のラハットバイケ!
まさか!!
そのまさかが、まさかでなく本当になって、二人は23日共同展示決定。
ラハットバイケは8分のパフォーマンスアートを、太鼓・琴(サウンドインスタレーションversion?)とのコラボで行います。
どんな魔法にかけられて、当日はどんなものが共鳴し合うのか
誰にも予想ができない、このわくわく感!
乞うご期待!
今朝は、旧ソビエト時代の蚤の市に行って来ました!
ウクロップととの対面に心弾んだ様子~





2010年7月8日木曜日

Asian Reunion in Silkroad -アーティスト坂本泉-

今日からまた新しい物語がここキルギスで始まろうとしている。
そんな予感が、するこの昼下がり

IZUMI SAKAMOTO
山梨が産んだ現代アーティスト

泉さんがキルギスに来た!
当初、7/12-7/19までのArt Campに参加するはずだった
ところが4月からのキルギス政変の暴動で、スポンサーとして協賛金を出してくれるはずだった団体から「銀行凍結・出資不可能」の連絡-

固まった私たち、特に今回のイベントのメイン隊員O隊員(Bishkek Art Center配属)

でも、アーティストとは面白いものずき、開けちゃいけないと言われると開けたくなる子供のような気持ちの持ち主たち。
この不安と期待が混ざり合っている今のキルギスを 選ぶものと思う。
そして彼女はいつもの変わらない笑顔いっぱいで今朝この地に降り立ちました。
23日のイベントは生きたまま、7ヶ国Artistsの参加は不可能となってしまいましたが、
彼女をメインとしたArtイベントに生まれ変わりました。
協力隊組からは、日本和太鼓(現地キルギス人生徒たちによる)、箏演奏、ソーラン節の披露。
泉さんはこれから、数日の首都滞在、来週は私の任地アルシュ村と、山でのテント生活を経て、18日-22日まで作品制作に入ります。
しばらく泉さんを追いかける日々になりそうです
泉さんがキルギスの何を見て、何を吸い込んで、どんな作品を作るのか・・考えただけで楽しくて、夢が広がって、わくわくが隠せません。
彼女は地元山梨でこんな活動をしている方です-http://air-y.net/

平穏な風吹く、市内中心のアラトー広場
そのすぐ目の前の建物は、焼き打ちにあった後の無残な姿なままの警察省
キルギス、今とても面白いです。


2010年7月6日火曜日

山の空気を吸い込んで-The fresh air-

「キルギスの山の、ベストショットを撮りたい」

という、首都ビシュケクの大学で講師として活動されているシニアボランティアのHさんと、いつもSAORIの商品に斬新なアイディアをくれて応援してくださるOさんがアルシュ村体験!

2泊3日の楽しい滞在でした。

お二人はものすごい早起き・・
私がぐーすか寝ている朝6:00、Hさんは家の裏山に一人カメラを持って登ってきたという。

ちなみに私はというと、顔を洗いに行ったのは9:00ちかくでした。                   Hさん撮影のアルシュ村(朝6:30)

それから馬を借りて、いざ山へ。

太陽が燦々と降り注ぐ中、三頭の馬と、勇ましい騎手たちのこの姿!ヨッ!
目指した目的地には・・やっぱり羊、そして山!
山にこもって馬の乳を搾るDエジェのテントには丸坊主の子供達。
右は我が家のベックヌル!団子三兄弟~♪

二人も、山の空気を思いっきり吸い込んで満足な様子
お昼寝をしたり、写真を撮ったり、馬のお乳を飲んだり。
Dエジェは、日本からのお客様、特に年上のお客様が来た、ということで歓待のクイマック(揚げパン)をその場で揚げてくれました。山の上での貴重な油と、小麦粉を惜しみなく使って、温かい歓迎のお茶を頂きました。

特に写真がお好きなHさんは、とにかくたくさんシャッターを切る

       手を振るわんぱく坊主たち
        雲と二人の背中
夜は、お母さんの得意料理オロモ(野菜入り蒸し餃子・特大版)と、ビール・コニャックで、夜が更けるまで色々な話をしました。
今日撮った写真の上映をしつつ。
年輩の方のお話は面白い。私の知らない事、気が付かないポイントから話がどんどん膨らむから。
数年前に読んだ「楽しい会話」という非常に興味深い本を思い出した。
まさにこの日の宴が「楽しい会話」の通り。
会話にリズムがあって、言葉に意味があって、時に胸があつくなって、お酒に酔いしれる、至福のひと時となったのでした。◎まる