2010年4月9日金曜日

死と生

不気味なほどの村の静けさが
首都やナリン市での暴動を余計に感じさせた今日一日。

昨夜なかなか流れなかった事実が今日、リアルに映った。

ビシュケクの家族からは
"Bishkek is destroyed"のメール。そう、街が、店が、大変な事になっている。

商品を置かせてもらっている大手スーパーも全階めちゃめちゃらしい
よくお昼を食べにいった食堂も破壊された映像が流れる

極めつけはジャーマットのメンバーの親族が
ナリン市内の暴動で銃弾に打たれ、今日亡くなったという知らせ。

国を変えていこうとする時に、こんな風に人々が
暴れて、叫んで、命を落として、悲しんで、泣き狂わなければならないのか。

と思うと気持ちが沈む。

TVを見ながら涙を流す村の女性。

暴動の真実は分からない、これからキルギスがどちらに向かって進んでいくのか
そんな事も今の私には分からない。

でも、この目でしっかりついていこうと思う。
心の中では決して、未来への希望の小さな灯を絶やさずにいたいと思う。

本当にそう思う。

死と生と、それは日常の中にある。
私のすぐそばで、こちらの都合なんてお構いなしにやってくるものなのだ。

その瞬間を、新しい命の誕生の瞬間を見守る事、約1時間

複雑な気持ちの中
言葉に出来ない、ほどの感激をもらった


それはついさっき、我が家の牛が赤ちゃんを産んだこと!

お母さん牛は、何度も何度も鼻息をならす

立ちあがったり、横になったり

そして 天を見上げ最後の苦しみに耐え、巨体を震わせて力んだ

ぬるっ ドサっ・・


暗闇の中で、小さな小さな命が出てきた

お母さんの牛は、母の眼をしていた。

何百回も、子牛をなめまわす。

小さな牛の体から湯気が立ち上る

今夜、この出産に立ち会えたこと、きっと何か意味がある。

そう思いたい。

生きている事を実感し
必ず生き物は死ぬこと、そして命はまた授けられること。

気持ちがいっぱい。 小さな私だと、痛感する。