最後の10日あまり、パソコンを開く時間もろくにとれず
家族のような存在になっていた村の人々とのお別れに泣き、SAORIを想って泣き、荷物も(予想通り)バタバタもいいところ、訳も分からずとにかく詰め込んで
気が付いたら今、モスクワの空港にいます。
どうやら夢ではなさそう、今朝キルギス・マナス空港から飛び立ってしまったようです。
同期四人一緒です。さっきはビールを飲みました。そしてその後は急に寂しくなってトイレで泣きました。
近づいてくる日本を考え、遠くなってゆくキルギスを想い
今のこの気持ちは、どういう風に表現したらいいんだろう。
大好きなアルシュ村でたくさんの人との抱き合い涙し、色々な事に心配をし、時間の流れにため息し、その度に募り込み上げる想いと気持ちが溢れだし、何だか最後は体全身が麻痺して、耳がよく聞こえないような感じ。
気持ちの浮き沈みの激しい、 9月一カ月でした。
と、感傷に浸っている真っただ中ではありますが
このblogの最終幕として、アルシュでの送別会、大好きな仲間との時間、
「キルギス回想編」を、日本からお送りしたいと思います。
今、モスクワ空港からは慣れ親しんだキルギスの山々を見ることはできず、整然と、ぴっかぴかに清掃された空港内で、外国を感じております。
それでもまだキリル文字。
PM8:00出発、明日の午前中には成田着です。
瀬戸内寂聴さんの言葉で
「人も、事件も、思い出も、あらゆるものは過ぎてゆく。何処へ。それが分からないから、人は生きてゆける」というのを、だいぶ前に聞いた事を思い出しました。
まだまだ気持ちはアルシュ村の、二番目の井戸の前に位置する我が家に、SAORIの作業場にあります。が、上手にこの二年間の日々を私は忘れていきたいと思っています。
そうしないと、これまでの私と全く同じ。
過去を引きずって前になかなか進めない。
だから、寂しいけど、そしてできることならアルシュ村に飛んで帰りたいけど、時間が手助けしてくれて、人も、思い出も、ゆるやかに過ぎ去ってゆくことを祈ります。
日本に着く頃、笑顔でいたいと思います。
それでは。